日本の外来・通院医療の現状を知る
全国どこでも希望する医療機関を選び受診できる仕組みをフリーアクセスといい、日本の医療保険制度の優れた特徴の一つです。
しかし、このフリーアクセスが問題視されはじめており、それは、本来専門治療などを行う地域の中核病院の外来に軽い症状でかかる人が増えているからです。
大きな病院へのブランド志向や複数の科に一度に受診できる便利さなどが主な理由ですが、その結果、病院勤務医の外来診療負担が大きくなったり、専門的治療が必要な重い病気の人に十分に時間を割けない等課題が出てきています。
そのため、慢性疾患などの日常治療や軽い病状では診療所や中小病院に、入院や専門外来は大きな中核病院で行うイメージで改善が進められ、安易な受診を抑える対策も取り入れられています。
近年では、がんや心筋梗塞など重い病気で治療を受けた人についても、状態が安定したら日常の治療の場を診療所に移しているというのが実情です。
中核病院は外来の使い分けが必要とされています。